震災と損害保険  その2

東日本大震災と保険金
社団法人 日本損害保険協会が発表した「東日本大震災に係る地震保険の支払件数、金額について(2011年11月28日(水)現在)」によると、保険金の支払い件数が741,169件支払保険金は、1兆1,980億4,011万2千円でした。1995年1月17日に起きた阪神・淡路大震災の支払保険金が783億円でしたので、今回の震災でどれだけの保険金が支払われたか分かります。ちなみに先日の発表によると、神奈川県でも151億円の支払があったようです。

ではなぜ今回の地震でこれほど多額の保険金が支払われたのでしょうか?
実は、平成8年1月に地震保険の改定により建物と家財では損害の認定基準が異なり、家財の損害の程度によって支払保険金が決定されるようになりました。
地震保険は、被災者の方々の生活安定の寄与することを目的としています。
被災地域は広くても、出来るだけ早く被災者の方に支払うことができるよう全損、半損、一部損と損害の程度を3つに分けて支払をする方法を取っています。


建物の損害の認定方法は?
一般的な木造建物(在来軸組構造)の場合は、基礎、柱、屋根、外壁の被害程度を調査し損害程度を判断します。そして、より詳細な調査をする場合には第二次査定を実施することがあります。
一般的に建物は建物の外よりも中の方が、クロスにひびが入るなどの被害によりひどく見えがちです。しかし損害の調査は建物の外を中心に行い損害の程度を判断する為、被害に遭った方は正しく損害を見てくれていないと言う不満を持つことが多いようです。これは、お客様にしっかりと説明が出来ていないために起こる不満です。



地震保険は単独ではご加入できません。『建物』または『家財』の火災保険とセット
 でのご加入になります。

家財の損害の認定方法は?
家財は個々の家財の損傷状況によらず、大きく5つ①食器陶器類②電気器具類③家具類④身の回り品その他⑤衣類寝具類に分類し、その中で一般的に所有されていると考えられる物の損傷状況から家財の全体の損傷割合を算出し、損害の程度で認定を行います。
今回の東日本大震災では、家財の保険金の支払が多かったようです。
建物は年々耐震性が良くなっていますが、家財は例えば昔のブラウン管のテレビよりも液晶テレビの方が倒れやすい為、そのような意味で支払いが増えたのかもしれません。

*1個または1組の価格が30万円を超える貴金属類や美術品は対象外となりますのでご注意下さい。


地震には海溝型地震内陸直下型地震2種類の地震があります。東日本大震災は海溝型地震、一方の阪神淡路大震災は内陸直下型地震でした。
最近の新聞によれば、東海地震の発生確率は30年間で88%。首都圏直下型地震の発生確率は4年間で70%となっています。
どちらもこれだけの発生確率がある地域です。自身の補償を見直すには良い機会かも知れません。

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